男子バレーボール日本代表で注目を集める大塚達宣選手。
194cmの長身を生かしたパワフルなスパイクと安定感の
あるレシーブでチームを支え、世代を代表するプレーヤー
として存在感を高めている。高校・大学時代から頭角を
現し、代表定着後は国際大会でも着実に結果を残している
大塚選手。その成長の歩みと今後の展望に迫る。
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大塚達宣、逆境を越えて――日本バレーを導く静かな炎
194センチの長身から放たれるスパイクは、破壊力とともに独特の冷静さを漂わせる。
男子バレーボール日本代表のアウトサイドヒッター、大塚達宣。
9月の世界選手権壮行試合、イタリアとの一戦で見せた彼の復帰は、派手さよりも
「静かな強さ」を印象づけた。
大塚達宣プロフイール
名前 | 大塚達宜(おおつか・たつのり) |
生年月日 | 2000年11月5日(24歳) |
出身地 | 大阪府枚方市 |
身長 | 195㎝ |
体重 | 87㎏ |
血液型 | A型 |
所属 | パワーバレー・ミラノ |
ポジション | OH |
利き手 | 右 |
スパイク | 340㎝ |
洛南高等学校2年生時全日本高等学校選手権大会で準優勝、3年生時優勝に貢献。
早稲田大学スポーツ科学部で全日本インカレの優勝に貢献しています。
2021-22 V.LEAGUE DIVISION1 MENで最優秀新人賞受賞
2022-23 V.LEAGUE DIVISION1 MENではベスト6
大塚達宣、日本代表で復帰|右肘手術を乗り越えて
男子バレーボール日本代表の大塚達宣が、右肘手術を乗り越え9月の世界選手権壮行試合で復帰。
194センチの高身長から放たれるスパイクは、派手さよりも「静かな強さ」を漂わせる。
海外挑戦で磨かれた技術と心の余裕、仲間やファンからの信頼が彼を支えている。
壮行試合のコートで
9月6日、イタリアとの壮行試合。
第4セット途中に投入された大塚は、静かにコートに立った。
高い打点から放たれるスパイクを沈めると、会場は一気に熱を帯びた。
「自分が入ることでチームに勢いが出れば」
復帰戦をそう振り返った声は淡々としているが、その内側には確かな責任感がにじむ。
海外挑戦で得たもの
2024年から挑んでいるイタリア・セリエAの舞台。
世界屈指のプレーヤーが集う環境は、大塚に新たな視点を与えた。
「最初は完璧でなければと追い詰めていた。でも、失敗を恐れないことで余裕が生まれた」
海外で培った“心の幅”は、代表でのプレーをさらに豊かにしている。
仲間に支えられて
代表合宿では、年齢を問わず多くの選手とコミュニケーションを取る姿が目立つ。
「大塚は物静かだけど、声をかけるタイミングが絶妙。チームに安心感を与えてくれる」と
あるチームメイトは語る。
普段は控えめながら、練習後には後輩のスパイクを拾い続ける姿や、ベテランに積極的に
アドバイスを求める姿もある。そうした誠実な姿勢が、周囲の信頼を厚くしている。
日常の素顔
一方で、日常の大塚は意外な一面を持つ。
音楽や映画が好きで、海外遠征の移動中にはイヤホンを手放さない。
「気持ちを落ち着ける時間が必要なんです」
そう語る横顔は、コートで見せる力強さとは対照的に穏やかだ。
SNSには仲間との笑顔の写真や、リラックスした様子も投稿される。
勝負の世界で戦う一方で、自然体の大塚がそこにいる。
積み重ねの先に
洛南高校での春高制覇、早稲田大学でのインカレ優勝。
そしてVリーグでの新人賞受賞。
「どんな状況でも自分のプレーを出し切る。それが自信につながっている」
そう語る声は控えめだが、その歩みは一つひとつ、確かに未来へとつながっている。
未来を見据えて
「まず自分のプレーを貫き、トライすることが一番大事」
復帰後の取材で語ったその言葉は、単なる意気込みではなく、
大塚の生き方そのものを映している。
世界選手権、そしてその先の舞台へ。大塚達宣という存在は、
日本バレーにとって“静かに燃える炎”であり続けるだろう。