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日本代表のセッターとして数々の試合をコントロールしてきた
深津英臣選手。華やかなスパイクが目立つ男子バレーボール界に
おいて“影の司令塔”とも呼ばれるセッターというポジションで
日本チームを支えてきました。実は彼は3兄弟全員がバレーボー
ル選手という“バレー一家”の末っ子。兄たちの背中を追いかけ
やがて日本代表の司令塔となった彼の軌跡を、家族の絆や
ポジションの誇りとともに辿ります。

 

名前 深津英臣(ふかつ・ひでおみ)
生年月日 1990年6月1日(35歳)
愛称 オミ
出身地 愛知県豊田市
身長 181㎝
体重 77kg
豊田市立崇化館中学校→星城高等学校→東海大学
所属 ウルフドックス名古屋
3兄弟 末っ子

バレーは“生活の一部”だった――深津三兄弟のルーツ

深津英臣選手は、愛知県豊田市出身。

父・深津貴之さんは元実業団選手で、指導者としても地元で知られた存在です。

長男・貴之さんは東京グレートベアーズ所属、次男・旭弘さんはウルフドッグス名古屋の

コーチ。まさに「一家そろってバレーボール漬け」と言っても過言ではありません。

そんな環境の中、小学2年時から自然と英臣選手もバレーボールの道へ進んでいます。

気がつけば、兄たちとボールを追いかける日々が始まっていました。

静かなる司令塔――セッターとしての覚悟と進化

小中高を通して着実に力を伸ばし、東海大学進学後にはセッターとして

本格的に頭角を現します。

献身的で、あくまでも「黒子」に徹するそのプレースタイルは、派手さよりも

“つなぐ力”に重きを置く深津選手ならではのもの。

選手一人ひとりの特性を瞬時に見抜き、最適なタイミングでトスを上げる。

その緻密な判断力こそが、チームの攻撃力を底上げしてきた最大の武器です。

日本代表としての誇り縁の下からチームを支える

深津選手は、Vリーグ・パナソニックパンサーズで長年主力として活躍しながら、

日本代表の常連メンバーとしても存在感を発揮。

特に石川祐希選手、西田有志選手ら若手エースたちを支えるセッターとして、

試合の流れを読み解く力に定評があります。

「味方のよさを最大限に引き出す」ことに全力を尽くすその姿勢は、

まさに“影のヒーロー”とも言えるでしょう。

“バレー三兄弟”の絆――兄たちとの関係が生んだ成長

「兄の背中を追いかけて育った」と語る深津選手。

幼少期は兄たちに囲まれて練習することも多く、時には厳しく、

時には優しく支えられてきたと言います。

兄たちの試合を見て、「自分もこんな風になりたい」と思ったことが、

バレーへの情熱につながったと振り返っています。

現在でも、兄との情報交換や意見交換は欠かさないそうで、プレーだけでなく

人間としての支えにもなっているようです。

深津英臣が見据えるこれから――バレー人生の集大成へ

セッターとしての経験値も豊富な今、深津選手はチームをまとめる

リーダー的存在でもあります。

目立つポジションではなくとも、勝敗を大きく左右するセッターというポジションに

誇りを持ち、後輩たちへその精神を受け継ぐ役割も担い始めています。

バレーボールというスポーツの面白さ、そして深津英臣という存在が秘める奥深さ。

これからも、彼のプレーには目が離せません。

深津英臣選手の受賞歴

 

  • 2013年 – 黒鷲旗大会 若鷲賞
  • 2014年 – 2013/14 Vプレミアリーグ 新人賞
  • 2014年 – 第63回黒鷲旗大会 ベスト6
  • 2015年 – 第18回アジア選手権 ベストセッター賞
  • 2022年 – 2021-22 V.LEAGUE DIVISION1 MEN Vリーグ栄誉賞
  • 2025年 – 2024-25 SV.LEAGUE MEN ベストセッター

 

まとめ

3人の兄弟がそれぞれの形で歩んできた“バレー道”。

その末っ子が、今、日本を動かす司令塔として立っている。

深津英臣――そのプレーは、家族の絆と努力の証であり、未来へと続く物語の真っただ中にある。