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最初は、声だった。
低くて、落ち着いていて、どこか距離を感じる声。
なのに、気づけばその声が出てくるシーンを無意識に待っている
自分がいる。津田健次郎さんは、「かっこいい」を前面に押し出
す人ではない。それなのに、静かに、確実に、心の深いところま
で入り込んでくる。これは、そんな津田健次郎さんに惹かれてし
まった女性ファンの視点から綴る想いだ。

その声は、優しく突き放す

津田健次郎さんの声には、不思議な距離感がある。

近すぎない。甘くもない。

それなのに、なぜか一番大事なところに届いてしまう。

『呪術廻戦』の七海建人。

感情をあまり表に出さず、淡々と話すその声は、決して寄り添ってくるわけではない。

それでも、「大丈夫です」と言われると、本当に大丈夫な気がしてしまう。

守ってくれるのではなく、「自分で立てるようにしてくれる」声。

女性ファンが惹かれるのは、きっとそこだ。

危うさと色気が同時に存在する男たち

『ゴールデンカムイ』の尾形百之助は、好きになってはいけないとわかっているのに、

目を離せない存在だった

冷静で、感情が読めなくて、どこか壊れている。

でも、その静かな声の奥に、一瞬だけ覗く弱さや孤独が、胸に刺さる。

『チェンソーマン』の岸辺も同じだ。

疲れ切った大人の男の声。乱暴で雑なのに、ふとした瞬間に滲む優しさ。

「幸せになってほしい」と思ってしまうのに、そんな未来は似合わない気もしてしまう。

この矛盾した感情を生み出すのが、津田健次郎さんの声だ。

“大人の男”という幻想を現実にしてしまう

津田健次郎さんが演じる男性キャラクターは、「理想」ではなく「現実」に近い。

完璧じゃない。疲れている。面倒くさがりなところもある。

それでも、自分の仕事や信念からは逃げない。

七海建人のスーツ姿岸辺のくたびれた背中海馬瀬人の孤独な横顔

そのすべてに共通しているのは、「背負ってきた時間」だ。

若さや勢いではなく、積み重ねてきたものが滲む声だからこそ、大人の女性の心に深く刺さる。

声優というより、“人”に惹かれている

気づけば、キャラクターだけでなく、津田健次郎さん自身の言葉や姿勢にも惹かれている。

前に出すぎないところ。

役を語るときの真剣さ。

決して自分を大きく見せようとしない誠実さ。

「この人が演じているなら、安心して見ていられる」

そんな信頼が、恋に似た感情へと変わっていく。

まとめ

津田健次郎さんは、派手に心を奪う人ではない。

でも、静かに、深く、長く残る。

声を聞くたびに、少し落ち着いて、少し背筋が伸びる。

そしてまた、次の作品でも会いたくなってしまう。

これはきっと、沼だ。

抜け出そうとも思わないし、むしろ——このままでいいと思っている。