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『風立ちぬ』(かぜたちぬ)は、宮崎駿による日本の漫画です。

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(大日本絵画)2009年4月号から2010年1月号まで連載されました。

 

七試艦上戦闘機(ななしかんじょうせんとうき)

九試単座戦闘機(きゅうしたんざせんとうき)

零式艦上戦闘機(れいしきかんじょうせんとうき)

 

などの戦闘機の設計を手がけた堀越二郎と言う航空技術者がモデルとなっています。

帝国大学工学部航空学科に入学した二郎は

飛行機の設計士としての才能を発揮して行きます

 

ひどい近眼だった二郎は設計士カプローニに尋ねます。

目が悪くても設計士なれるよと彼は答えます。(夢の中で)

二郎が目標と崇める設計士・カプローニとの時空を超えた友情

(ここが難しかった)

真剣に見てないと夢と現実の境目が理解できない。

“理解できない”という感想は全く間違っていません。

“大衆には理解されない”ことさえも本作の意義と言っても過言ではない

と言ってる方もいらっしゃいます。

 

『風立ちぬ』は、大人向けの作品と言われている理由としては

作品はある程度、見る側が考えてくれるのを前提として出来てる

からだとも言われているそうです。

ダイナミックなのに繊細な映像表現は、素晴らしいの一言。

 

『風立ちぬ』はひたむきに愛と仕事に生きた男の素晴らしい物語です。

菜穂子との切ない夫婦愛もそうですね。

顔色の蒼白を隠すために頬紅を強く塗って二郎に心配かけまいと

必死の菜穂子。

70年以上前の設定で、それゆえのレトロな光景・情景を楽しむ事も

出来ますし、

空の青さが美しく、木々の緑や川の流れなど子供の頃を思い出させて

くれますね。

幼い頃から兄の二郎を慕い、「二兄(にいにい)」と呼ぶ妹の加代。

彼女は勉強して医師を目指し菜穂子の手助けをしたいと考えています。

加代は菜穂子が大好きでした。

堀越家は裕福な家系で、菜穂子の家も資産家でした。

 

 

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あらすじ

 

 

舞台は関東大震災から太平洋戦争という大混乱に陥っている日本です。

少年の頃より「美しい飛行機を作りたい」と夢に向かって生きた人物として

堀越二郎が描かれています。

飛行機の設計をするために三菱に入社。

上司の黒川(西村雅彦)や課長の服部(國村隼)から一目置かれる存在に成長した二郎。

 

本庄とドイツに研修に行くことになります。

ドイツで最先端の技術に触れた二郎は帰国後戦闘機の設計主任に任命されます。

ライバルであり切磋琢磨の仲でもある本庄は二郎の才能に惹かれて 行き

先輩の黒川も無理難題を押し付けながらも二郎の才能を高く評価しています。

しかし、最初からうまく物事は運びません。

二郎が設計した飛行機は空中分解してしまい、すっかり自信を失ってしまった

二郎に上司の服部は休暇を与えます。

こうして見ると二郎の周りには理解ある優しい人達が多くいたのですね。

 

 

キャラクター 

堀越二郎   庵野秀明

里見菜穂子  瀧本美織

本庄     西島秀俊

黒川     西村まさ彦

里見     風間杜夫

二郎の母   竹下景子

堀越加代   志田未来

服部     國村隼

黒川夫人   大竹しのぶ

カプローニ  野村萬斎

 

 

菜穂子との出会い

 

 

 

軽井沢のホテルで静養することになった二郎が偶然

絵を描いている美しい女性に出会いました。

パラソルが風に飛ばされてそれを二郎がキャッチしたのです。

菜穂子との出会いは関東大震災で二郎が助けて以来の事。

あの時、女中の絹が足をくじいて歩けなくなったのを二郎が背負って

助けた過去がありました。

名前も告げずに立ち去りカッコ良かったです。

菜穂子は自分が結核を患っていることを告白しますが、二郎は

治ってから結婚すれば良いのだからと言います。

お互い恋心を抱いていたのですぐ、菜穂子の父・里見の許しを得て

結婚の約束を交わします。

菜穂子の父は結核を患っているから諦めるよう二郎に諭します。

でも、彼は諦めることはしませんでした。

 

菜穂子との結婚生活

結核を治そうと、菜穂子は遠く離れた療養所にいました。

しかし、二郎とともに居たい思いにかられ二郎の元に向かいます。

籍を入れてないカップルに家を貸せないと黒川は断りますが、黒川夫人の

計らいで結婚式を挙げ二人は黒川の離れで新婚生活を送れるように

なったのですが菜穂子の病状は思わしくなく、日に日に悪化していった。

二郎は仕事が忙しく菜穂子の看病もできずにいました。

疲れて眠る二郎にソッと自分の布団を掛けてやる菜穂子が

いじらしいですね。

 


世話になった仲人や二郎の妹に手紙を残し、再び療養所へと向かいます。

追おうとする二郎の妹に、「追ってはなりません。…菜穂子さんは、

一番良い時間を二郎さんと過ごしたかっただけ。

綺麗なままの自分を見せたかったのね。

彼も自分自身が設計した戦闘機のテスト飛行の最中、菜穂子の最期を

感じ取ります。

夫婦のきずなはこんなにも深いものなのですね。

 

主題歌

「ひこうき雲」は『風立ちぬ』のために書かれたのでは?

誰もが感じたことと思います。

この作品にピッタリですもの。

「空に憧れて 空をかけてゆく」という一節は夢を追う二郎を、

「あの子の命はひこうき雲」の部分は菜穂子の儚い命を歌って

いるような気がしてなりません。

この歌は荒井由実(松任谷由実)さんが高校生の時に作った

曲だそうで、びっくりしました。

才能のある方は違いますね。

 

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まとめ

 

二郎は飛行機をカプローニの告げた期限通りに10年間作り続けてきたが

1機も戻って来る事はありませんでした。

「終わりはズタズタだった」二郎はその罪を背負ってしまいました。

死ぬことは出来ない、それで罪は償えない。

「生きて」と言った菜穂子は、姿が透けていき、大空に溶け込むかのように

去って行いきました。

きっと、菜穂子は天国から二郎を見守ってくれてる事でしょう。